「化学」ってなに?どんな勉強?

物質の成り立ちを学ぶ科目の「化学」
「化学」は、小中学校までは理科の一単元として学習してきた物質の反応について、高等学校から独立して扱われる科目です。
中学校の化学分野で習う内容としては、「分解」「化合」「原子と分子」「酸化と還元」「物質と化学変化の応用」となっています。
高等学校に入ってからはさらに物質の構成や変化について、そして最も難易度の高い有機化学について学ぶことになります。
物理科目にも関係してくる電池や熱運動、物質の三態といったものも学習をしていくので、理系の中でも薬学や疫学といった分野に進学したいと考えている人にとって化学は必須の科目です。
高校化学の具体的な内容は「理論化学」「無機化学」「有機化学」「高分子化合物」の4分野となっています。
「理論化学」はいわゆる化学式を用いた学習で、化学原理を踏まえつつそれぞれの物質を反応させることにより、どのような物質に変化をするかという問題が出されます。
「無機化学」は元素記号や化合物の色や臭いなど、既存の物質の性質を覚えるという科目です。
語呂合わせなどで記憶をしていくことが学習の中心となるでしょう。
「有機化学」は現在も世界的に研究が進められている関連化合物についてで、炭素化合物のしくみや結合方法、それぞれの物質の性質についてを学習します。
最後の「高分子化合物」は高校化学で最終的に学習する科目で、新課程になることで割合が大きく追加されました。
化学の効果的な学習方法
化学は、主に理系進学する学生に多く履修される科目です。
旧課程では「化学Ⅰ」と「化学Ⅱ」となっていましたが、新課程では「化学基礎」と「化学」という名称に変更になりました。
「化学基礎」では物質の構成や物質の変化、化学反応式を中心に、無機化学と有機化学の各論分野を全般的に学習します。
高度な知識が必要となる熱化学や電気分解、電池といったことは「化学」の学習範囲となっており、さらに「高分子分野」も「化学」科目として出題されることになっています。
理科科目のうち「生物」が暗記中心、「物理」が応用問題中心になっているのに対し、「化学」は暗記と応用がバランス良く配置されています。
逆に言うとどちらかだけの学習方法では対応することができず、2つを同時並行的に行っていかなければいけません。
暗記が得意な人はまず元素記号や物質の性質などの「無機化学」を重点的に行っていくことになりますが、出題傾向としては応用力が問われる化学反応式が多くなっています。
注意したいのが、ここ近年では私立大学の家政科や看護系の学部で受験科目に「化学基礎」が必須になっていることが多いということです。
理系進学を考えている人はもちろん、将来の進学先で必要になる可能性が高いので学習をしていくようにしましょう。