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世界で一番学力の高い国フィンランド

高い教育水準を持つ国

世界で一番高い学力を誇っている国がどこかご存知でしょうか?
と、まあ、記事タイトルになっていることを勿体つける必要もないでしょう、そう、それは「フィンランド」という国です。
では、そもそもこのフィンランドというのがどのような国なのか、皆さんはご存知でしょうか?

フィンランドは北欧に位置する国で、広さは日本よりも少し狭い程度です。
人口は日本に比べるとかなり少なく、兵庫県や福岡県と同じ程度の人数となっています。
人口密度が低いことがこれからわかるでしょう。
自然環境が壮大で、白夜やオーロラというような、こちらではテレビや教科書でしか見られないような現象が実際に起こる場所でもあります。

そんなフィンランドの学力は、PISAという国際学力比較調査において、安定的上位を獲得し、総合で一位を獲得しています。
数学で2位、読解と科学で1位、問題解決能力が3位という結果です。
ちなみに日本は数学で7位、読解で4位、科学で4位という結果となっており、こちらもそれほど悪いわけではありません。
しかし、なぜ言ってしまえば小国であるフィンランドが、これほどまでに高い教育水準を記録しているのでしょうか?

フィンランドの教育

フィンランドの教育体制は、日本とは大きな違いがあります。
まず、義務教育年齢が、7歳から16歳となっています。
年数自体は日本と同じく9年ですが、どこで教育を行うのか、ということが及ぼす違いがあると考えて良いでしょう。

また、北欧の特徴の1つとして、高負担高福祉の社会体制が取られている、ということが挙げられます。
ともすると共産主義のような印象を与えてしまいがちなこの制度ですが、子供の教育においては特に高い成果を発揮しています。
子供が生まれると子供全員に対してベビー服や布団など、子どもの教育に必要なものが届くようになっています。
さらに、義務教育が終了するまで、1人につき月1万3千円の支給がなされる仕組みとなっています。

もちろん学校の授業料は無料であり、食事も無料、教科書も無料、通学手段も無料です。
誰もが教育を受けることが出来る環境を整備している、というのが大きなポイントとなっています。

学力が高い、というと昔の日本のような詰め込み教育を想像しがちですが、実際フィンランドにおける授業時間というのはOECD加盟国のなかで最も短いのです。
短い時間で、更に高い教育効果を発揮している、という点においてフィンランドの教育水準の高さをうかがい知ることが出来るでしょう。

ポイントの1つとなっているのが、少人数学級制度です。
日本では1学級40人前後となっていることが多いですが、フィンランドでは半分の20人前後となっていることが多く、より密接な教育が行えるようになっています。
ここには、人口が少ないというアドバンテージがあり、多くの先進諸国において同じことを出来るか、というと単純にはそうではないといえます。

さらにこの背景として、教員の持っている信頼の高さがあります。
社会的地位も最高レベルに高いものであり、仕事の内容もほぼ授業のみという待遇です。
そのため、授業に対して全身全霊で向かうことが出来る、というのが大きなメリットとなっています。