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カナダの小学校について

世界第二位の広大な面積をほこるカナダの教育とは

世界第二位の国土面積のカナダですが、自治州の数は以外に少なく全部で10州と3準州からなっています。
アメリカ合衆国が離島であるハワイを含めた50の州で成り立っていることと比較をするといかに一つずつの自治州が広いかが伺えます。

面積に比例してというわけではないですがカナダ内にある州の自治権限はかなり高く、特に教育ということに関してはカナダ連邦政府に教育省というものが置かれていないということから実態がよくわかります。

これはカナダ国内の州はそれぞれ大変強い個性を持っており、統一的な教育制度では住民の実情に合った教育内容を提示することができないということが理由です。

カナダ国内における公用語は英語とフランス語であり、国内で英語を母国語とする人口は約60%、フランス語は約20%となっています。

残りの約20%は複数の言語を扱う少数の移民によるもので、中国語、イタリア語、ドイツ語、ポーランド語、スペイン語などかなり数多くの言語が使用されている様子を見かけます。

非常に特殊なものとしてはノースウエスト準州で使用されているイヌクティトゥット語やクリー語というものがあり、そのあたりも統一的な教育制度を利用できない要因です。

カナダの教育制度

カナダの義務教育期間は州によって自由に決められるようになっていますが、ほとんどの州においては5歳~16歳の間です。

小学校(エレメンタリー)は5歳から入学し、10歳~12歳までの間に卒業します。
エレメンタリー卒業後はセカンダリーもしくはミドルスクールへと進学します。

セカンダリーは中学校と高等学校が一貫教育となったもので17歳までの間在籍します。
ミドルスクールは中等学校にあたる学校で、卒業後はシニアスクールという高等学校にあたる場所へ進学をしていきます。

たとえばBC州では約80%以上が公立学校で、残り20%程度が私立校です。
私立校の多くは宗教校であり、ほとんど個人塾と言っていいような小さな学校も存在しています。

個を育てる教育方針

カナダの小学校の教育方針は、知識を覚えるのではなく問題解決力を身につけるということで、学力テストではなくそれぞれの学校で教員が子供の適性を見ながら進路を提案していきます。

学習内容だけでなくクラスのルールもそれぞれ話し合いによって決めさせるといったこともあり、早くから他者を認め話し合いによって解決する能力を養っていきます。

各州の小学校では入学前に自分の身の回りのことをするのがごく当たり前になっており、基本的なしつけは小学校ではなく各家庭で行うものというのが常識になっています。

個人を尊重しすぎてクラスの統率がとりにくいという問題点が指摘されることもありますが、それだけに自由に個性を伸ばせる教育ができるといってよいでしょう。