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ロシアの教育制度を徹底解説

ユーラシア大陸の北部の多民族国家のロシア

ロシア連邦は日本と歴史的交流の深い国です。
17世紀末に大阪の伝兵衛がピョートル一世と謁見をしたことにより、ロシアと日本の交流が始まっています。

18世紀に入ると日本にとってロシアは驚異的国家となり、三国干渉や日露戦争、ノモンハン事件や旧ソ連による北方領土不法占拠といったように国家的な争いが繰り返し行われてきました。

しかし意外にも国民感情として日本とロシアはそれほど敵対関係にあるわけではなく、政治的な問題は多く残されているものの、ロシアにいる人たちの日本への感情は決して悪くありません。

日本においても古くからロシア文学を学ぶ研究者は多く、建築物や音楽などロシア文化を好む人も多いことから旅行者は多く往来しています。

かつては世界最大の共産主義国として東西冷戦の主役となっていたロシアでしたが、1991年にはソ連が消滅しロシア連邦という独立国家になっています。

ソビエト連邦は数多くの少数民族による国が統合されていたことから、消滅後もチェチェン共和国の民族紛争のように深刻な衝突がたびたび起こっています。

ロシアでは教育施策として義務教育制度や指導要領をまとめているものの、もともとが多民族国家であることから地域間や学校間の格差はかなり大きく、予算の不足から教員への給与が不足するということもあります。

とはいえエリツィン政権以降は教育においてイデオロギーを教えることはなくなり、民主化や国際化、経済活動についての教育が行われています。

能力に応じた進学先が決まるシステム

ロシアの教育制度を定めているのは「ロシア連邦教育法」という法律です。
これによると国民は普通教育を履修することを義務と定めていますが、その年数についてははっきり明示はされていません。

一般的には6歳~17歳までの11年間となっていますが、そのコースや年数は人によってそれぞれで、進学先や適性によってかなり分野が分かれます。

義務教育は初等・中等教育までで、6歳に入学をした子供は第9学年になるまで共通の普通教育を受けます。
第9学年を修了した時点でコースが分岐し、そのまま初等・中等教育の第10~11学年を履修する場合と、職業技術科に進む場合があります。

職業技術科に進んだ場合には専門分野によって修業年数が異なり、普通教育に進学した人もその後に中等専門学校や大学など高等教育へのコースが分かれていきます。

ロシアの義務教育課程での特徴は、英語や物理、数学、音楽など特定の科目やスポーツ分野に特化したクラスを設けているということです。

それぞれの分野に特殊な才能を持った子供は飛び級をし、より難易度の高いクラスを受講することができるようになっています。