フランスの中学校の制度とは

バカロレア試験合格を目指すフランスの中等教育

日本とヨーロッパ地域ではかなり学制が異なりますが、これは歴史的な身分制度や教育制度の成り立ちが大きく違っていることが原因です。

日本とヨーロッパ諸国の教育制度の最大の違いといえるのが「バカロレア」という国家資格の存在です。
よく日本のセンター試験とヨーロッパのバカロレア試験を同じように並べる説明がされていますが、実質的にはその成り立ちや意義は全く異なるものと言えます。

EUに加入しているヨーロッパ諸国の学制は多少の違いはあるものの、だいたい同じような仕組みとなっています。
その中でも一際バカロレア試験の位置づけが重要で、かつ試験内容に国民性がよく現れていると言っていいのがフランスです。

バカロレア試験の前に簡単にフランスの義務教育の全体像から説明していくと、まず6歳から小学校(エコール)に入学し初等教育を受けます。

初等教育は5年制で数え年11歳のときに中等部に進むのですが、フランスの中等教育は前期4年制と、後期3年制に分かれています。
前期課程は「コレージュ」と言われ、この卒業時となる16歳までの10年間が義務教育です。

後期課程はほとんどの人が「リセ」という3年制の学校に進みますが、他にも「職業リセ」という2年制の職業訓練校という進学先を選べます。

リセ卒業後も進学を選択する場合には、原則としてバカロレア試験を受けなくてはいけません。
バカロレア試験は中等教育修了と高等教育入学資格を認定する国家資格となっており、これがなければ複数ある進学先に入学をすることができません。

かつてはリセを卒業したあと、大学進学希望者と職業訓練希望者とが安定したバランスをとって運営されてきましたが、近年では高学歴を目指す人の割合が急増してきています。

これはフランスという国が資格国家となっており、高度な資格を取得しなければ社会的な成功はかなり難しいということが関係しています。

義務教育の目標は「知識技能の共通基礎」

フランスにおける義務教育の最終目的となっているのは「知識技能の共通基礎」です。
これは具体的に「フランス語の修得」「1つの現代外国語の実用」「数学の基本的要素の習得及び科学的・技術教養」「情報・通信に関する日常的な技術の習得」「人文的要素」「社会的公民的技能」「自立性および自発性」という7つを柱にするものです。

フランスというとラテン語や宗教学のような古めかしい教育をしているイメージがありますが、現在では時代のニーズに合わせた実践的技能の習得がメインとなっています。

ただし非常に個性的なのが教科書の使い方です。
義務教育であっても教科書を使用するかどうかは教師の裁量に任されており、上記の7つの柱を教えることができるのであれば、必ずしも教科書の内容に従って教育をしなければいけないという訳ではありません。