アメリカの小学校で教えている「算数」

暗記や計算ではなく思考力を鍛えるのが米国教育

インターネットでは日本の教育についておかしいと感じる点を伝える人が多く見られています。
日本国内の義務教育の内容は文部省によって年度ごとに定められる教育指導要領に従うことになっており、全国どこにいっても平均的な内容を学ぶことができます。

これは公立学校に通う全ての子に平均的な水準の教育をすることができるというメリットがある一方で、自分が学校で習うスピード以外に学習することができないことになり、定められた手順やそれまで習った方法以外のやり方で解いた場合は、仮に回答が合っていても不正解扱いを受けることになってしまいます。

よく言われることとして文章問題の式が3✕5=15は正解でも、5✕3=15と書いてしまうと間違いになるというような例です。

こうした教育方法は自然と暗記力や計算力を重視することになり、ある意味結果よりも過程を重視する日本人らしい教え方と言えます。

しかし米国においては暗記や計算力は算数教育でも二の次三の次という扱いになっており、何より独自の発想で正解を導き出すことができればそれでよしという風に教えています。

米国の教育制度では公立学校はありますが、義務教育の内容はそれぞれの州ごとに内容が異なっており、特に優秀な成績の生徒は飛び級(GATE:Gifted and Talented Education)で年齢に関わらず上の学年の授業を受けることができます。

この飛び級制度は算数~数学の分野においては非常に高い実績を残しており、これまでGATEを利用して飛び級をした人物として、投資家のウォーレン・バフェットや数学者のジョン・ナッシュ、マイケル・フリードマン、物理学者のケネス・ウィルソンといったビッグネームが並びます。

日本からの留学生として米国教育で飛び級を行った人物としても、数学者の望月新一、医学者の矢野祥といった人がいます。

算数の問題では計算機を使用してもよい

日本の算数教育の最大の特徴といえるのが「九九の段」です。
九九を全て覚えることが小学生中学年の最大の山場と言ってよく、そこでつまづいてしまうとその先の算数や数学がほとんどわからないという状態になってしまいます。

米国においては九九の段を全員に覚えさせるような非効率なことはせず、計算機を使ってもOKという風にして問題を作成しています。

先に述べたような、生まれつき優れた数学の才能のある人達は九九の段に関係なく素早い暗算ができる能力を備えているのですが、そうでない人はほとんど暗算をする能力がありません。

これは思考力を育てる教育になる一方で、簡単な掛け算も計算機や紙と筆記用具がないと計算できないため、かえって答えを出すのに時間がかかってしまうという問題が起こってしまいます。